2007年08月03日

源氏物語A(帚木)


さて、時の帝の子どもでありながら臣下として源氏の姓を賜った光源氏。この話の頃は17歳、
帚木とはほうき草の事だそうです。
この巻で詠み交わされる源氏と空蝉の和歌に織り込まれた言葉からこの巻の題名が付けられています。

さて、5月の長雨が続く頃、宮中で物忌みがあり、宿直所に籠もっている源氏のところに、彼の妻である葵の上の兄にあたる頭中将がやってきて、いろいろと話をしているうちに、どういう女性がいいか、という話になり、そこに左馬の頭や藤式部丞という好色者(当時、好色は悪い事ではなかったらしい)が現われ、いつのまにか、あれこれ女性の品評会といった様相を呈してくる。
いわゆる「雨夜の品定め」というやつで、後世、民主主義の世の中に育つ我々にはどうなの?と理解するのが難しい、少し傲慢なほどの場面なのだが、まあ、女性を上・中・下と分けて妻とすべき女性の資格を論じあうのだ。曰く、中の品の中にも個性的で魅力的な女性がいると聞き、興味深々の源氏だが、彼の心の中には死んだ母親によく似ているという帝の新しい女御、源氏の義母にあたる藤壺の女御が占めていて、とうてい忘れられない。
それどころか、彼は義理の母親にあたる藤壺と契ったらしい。それはやがて、藤壺の妊娠、不義の子どもの出産(後の冷泉帝)と続くのだが、その頃の男性は通い婚で妻の家に毎夜通うわけなんです。

さて、「中の品」の事が頭にあったのか、方違えのために訪れた紀伊守の屋敷で、そこに紀伊守の父親である伊予介の若い後妻が居るのを知った源氏は、寝所に忍び込み、人妻である彼女と契ってしまう。
なんて男だろう。
当時は、どうやら、女性は相当慎み深かったらしく、寝所に入られてしまったら、もう相手を拒むことができないらしい。
彼女が空蝉である。

源氏は彼女の弟である小君を可愛がり、
彼を使って空蝉に恋文を送るが、
彼女は返事を出さない。ガードが固い。
当たり前だよね。人妻なんだから。
彼女にも彼女なりの思いがある。

まだ娘の頃だったら、光源氏のような若者に通われるのも嬉しかっただろうが、今は受領の妻の身であるから、心苦しいが、わざと冷たい態度で振舞う。結局返事をもらえず、小君は源氏のもとに戻る。

落胆した源氏が彼女に歌を贈る。
「帚木の 心を知らで園原の 道にあやなく惑ひぬるかな」
(そこにあるかと近づくと見えなくなる帚木(ほうきぐさ)のように、つかむことのできないあなたの心を追って私は空しく送っている)
それに対して女(空蝉)は
「数ならぬ 伏屋に生ふる名のうさに あるにもあらず消ゆる帚木」
(賎しい小屋に生えている見苦しさに、いたたまれず消えてうせる帚木のような私です)
こう返してくる。
「勿体のうございます」ってんで、拒絶ですね。

あきらめきれない源氏は小君に姉の隠れているところに案内して欲しいと頼むが、厳重な戸締りをしているので、無理だという。
間に入っている弟の小君は源氏が気の毒でならない。
そんな彼の気持ちもわかるので、
「よし、ではせめてお前だけでも捨てないでおくれ」と側に寝かせたという。

しかし、この子も、源氏に手なずけられて姉の不倫の片棒を担ぐわけだから、この心情はよくわからないね。
一説には、彼は源氏の男色の相手になったと考えられる。
この時代には、すでに男色は流行っていたらしい。

昔はこの辺りは読み飛ばしたなあ…。
posted by とたけけ at 02:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 源氏物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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