2009年06月10日

江戸に遊ぶ8(佐伯泰英『死闘!』)


死闘!―古着屋総兵衛影始末〈1〉 (徳間文庫)

死闘!―古着屋総兵衛影始末〈1〉 (徳間文庫)

  • 作者: 佐伯 泰英
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2008/01/05
  • メディア: 文庫





日本橋富沢町に大店を構える古着問屋、大黒屋総兵衛は全国の古着商いを一手に引き受ける富沢町惣代の顔とともに、かつて初代が「神君」徳川家康と交わした約束により、代々隠れ旗本として幕府のために裏の仕事を務める密命を受けて、代々その任務を果たしてきた。

家康の死から85年が過ぎた元禄14年。
現6代目総兵衛が惣代を務める富沢町の古着市にぎわう中、
大黒屋の担ぎ商いの女、そめが無残な死体となって発見されたところから物語は始まる。
そめに続き、同じ富沢町の古着商の駿河屋繁三郎が喉首を斬られた惨殺体で源森川の岸辺で発見された。

何者か大黒屋の存在を快く思わない闇の勢力が大黒屋〜鳶沢一族に襲い掛かってきたのだ。

北町奉行保田宗易、筆頭与力犬沼勘解由、同心遠野鉄五郎、駒込殿中お歌の方、そして大黒屋の権益を狙う江川屋彦左衛門、さらにその後ろには、「御前」と呼ばれる、五代将軍綱吉の下で強大な権力を持つに至った側用人柳沢吉保の影が…

家康から拝領した愛刀三池典太を手に、総兵衛の祖伝夢想流の太刀が血しぶきをあげる…。


江戸の都市づくりが始まったばかりの頃、
全国から集まった浪人や野武士による無法を取り締まるべく、
そうした無頼の男鳶沢某に命じ悪人退治の任務を与えた。
見事にその任務を果たした鳶沢は、家康の許しを得て、
その名を冠した鳶沢町を造り古着商いの権利を与えた。
鳶沢町はその後富沢町と名を変え、古着商いの大市場として大層繁盛したらしい。

このことから佐伯さんが筆を起こしたのが、この「死闘!〜古着屋総兵衛影始末」という書き下ろし小説なんだそうな。

作家の想像力は、江戸の町に表は古着屋、裏は秘密基地を擁した、鳶沢一族のアジトを作り出す。
初代将軍家康の命により代々江戸の治安を影から支えた鳶沢一族と、現将軍綱吉の威光でのし上がった今の権力者柳沢〜松平美濃守吉保との暗闘は、ありそうな話で面白い。

観てきたようなウソをつき…。
時代小説の作者は、人一倍自由な想像力がないと勤まらないなと感じる一冊。
「死闘!」はこのシリーズの最初の一編でこの後も続き第11作「帰還!」まで出たそうな。

言うまでもなく、
佐伯さんはこの他にもドラマにもなっている「居眠り磐音 江戸双紙」や、「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」など、物凄く多くの作品を書いている人気作家でいらっしゃるわけだが、時代小説に転身する前は全く売れず、30代から作家として闘牛小説や冒険小説を書き始めて、ヒットしたのは57才になってからとウィキで知った時には、「継続は力なり」と言うか、人生いろいろというか…。

現在は西村京太郎先生なみに作品数の多い人気作家になっています。
文庫書き下ろし時代小説だけ書いているそうで、読む方が追いつかないくらい早く作品を書き上げる力は感心するばかり。

いや〜、時代小説って、ホント面白いですね!
posted by とたけけ at 11:05| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | 作家さ〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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